【与那国】2013年11月に与那国島北側で座礁した崎原海運㈲(宮城哲榮代表取締役)の「協栄丸」(総㌧数299㌧)に変わる新造貨物船「陽光丸」(同499㌧)が20日午前、久部良港に入港した。同船は、協栄丸の約2.7倍の積載能力があり、那覇—与那国の貨物輸送コスト低減と町内の生活物資価格の安定化が期待されている。当面の間は試運転で、週1回の就航となる。
これまで一括して那覇—石垣—与那国までの貨物を輸送してきた協栄丸の座礁後は、フェリー与那国が石垣—与那国、別の船会社が那覇—石垣を担当してきた。
そのため、石垣では荷物の積み替え費用が発生。これにより与那国への輸送費、生活物資類の仕入れ価格も上昇していた。
町民負担が発生しないよう町は予算を計上し、昨年1月から新貨物船の就航が予定されていた同11月まで輸送費を補助。しかし、就航遅れで11月以降は町民の自己負担となっていた。
新貨物船の就航に同社与那国取次所の崎原孫吉さんは「やっと就航することができた」と喜び、外間守吉町長も「町民の負担が軽減されることをうれしく思う。新たな貨物船が島の活性化につながることを期待したい」と述べた。
町内の商店で働く女性は「昨年は消費税が8%に上がったばかりで、さらに値上げするのは難しかった。運賃が下がるのは助かる」と話した。
陽光丸は、協栄丸より多くのコンテナを積載することができ、より大型の貨物も積むことができる。
与那国島北側の六畳ビーチ沖合約50㍍で座礁していた協栄丸は離礁が困難となり、その場で解体された。