■46%が「危険な飲酒」
これは去る12日の本紙記事の見出しだ。八重山保健所が飲酒と健康に関するアンケートを実施したところ男性の約16%%に依存症の疑いがあり、46%が同予備軍の危険な飲み方をしているというのだ。
沖縄はかつて長寿県と呼ばれたほど長命の人が多い半面、65歳未満で若くして亡くなる「早世」も全国ワーストだ。「健康いしがき21」のデータでは石垣市も男性は全死亡者の27%、女性も10%が65歳未満で早世し、男女とも全国ワースト10内にある。死因はがんをトップに脳血管や心疾患、肝疾患が続き、飲酒によるアルコール性肝疾患の死亡率は沖縄が全国ワーストだ。
そのため県は健康づくり指針に生活習慣病対策と併せて「早世の予防」を目標に掲げ、「長寿おきなわ」復活のカギとして▽検診率の向上▽肥満の解消▽適正飲酒ーの3つを挙げている。
■全国ワーストの肥満
特に沖縄の肥満は全国ワーストだがさらに八重山は県平均が男性44・4%、女性31%に対し竹富町は男性35%、女性27%で男女とも低いが、与那国町は男女とも48%台、石垣市は男性47・6%、女性36・3%といずれも県平均を上回っている。
しかも肥満はあらゆる生活習慣病の温床として高血圧や糖尿病、心臓病、脳卒中など命にかかわる重大な病気につながるものだが、それが20代から年齢を重ねるにつれて比率が上昇しており、肥満対策は県だけでなく、八重山にとっても大きな課題だ。
石垣市ではこうした生活習慣病の発症・重症化予防や早期のがん発見のため、特定健診やがん検診に力を入れ、さらに軽運動教室などの対策も講じているが、その割に肥満などは思うような成果は出ていないのが現状。
その中で特定健診は13年度は47%台と全国や県平均を上回る成果を出しているが、受診者は高齢者に多く、働き盛りの40ー50代は4人に1人と少なく、さらにその後の健診に対する保健指導も30%台で伸び悩み、具体的な健康対策は急務の課題。
■那覇市は職場に助成制度
健康づくりは各市町村の医療費や介護費に直結するだけに、本土では健康診断や健康運動へのモチベーションを高めるため現金や賞品を贈る自治体まで出ている。岡山県総社市は40歳以上の全員が特定健診を受けた国保世帯に1万円を支給しているほか、現金10万円や旅行券、特産品が当たるポイント事業も開始。岩手県遠野市は商店街と提携してがん検診受診者が買い物ポイントをもらえる事業、宮崎県高鍋町は特定健診受診者に信金の定期金利を上乗せする事業を行っているという。
県内でも那覇市が職場ぐるみで健康づくりをする事業所に、一括交付金を使って健康器具購入や健康教室の講師費用などで10万円ー30万円を助成。本年度は3社に助成し、21キロの減量に成功した人もいるという。
石垣市も13年度の国保財政は2億6千万円の赤字となっており、年に一度は健診をけるなど、あの手この手で各種検診の受診率向上や健康づくりへモチベーションを高め、一歩でも二歩でも「健康長寿」を前に進めたい。