新県立八重山病院の基本設計が完成し、県病院事業局(伊江朝次局長)は12日午後、石垣市健康福祉センターで関係者を対象にした説明会を開いた。新病院の診療科目はこれまでの22科目に歯科口腔外科を盛り込んだ23科目。許可病床数は現在の350床(稼働288床)から302床になる。院内は外来患者をはじめ急患や時間外の外来患者、感染症患者の動線も分離。将来的な増改築に対応できるスペースも確保された設計となっている。
旧石垣空港跡地内に整備される新病院は鉄筋コンクリート(プレキャストプレストレストコンクリート)造り5階建て。敷地面積は約4万平方㍍、建築面積8990平方㍍、延べ床面積2万3200平方㍍。実施設計を経て今年10月着工、17年度秋の完成を予定している。
基本設計では電源・水道などのインフラを担うエネルギーセンターを道路に隣接する形で配置し、約533台の駐車スペースや院内保育施設用地も設計に盛り込まれている。
郡内3市町の担当者や八重山地区医師会など15団体を対象にした説明会では、県病院事業局が3次元データを活用した画像を交えて基本設計を紹介。
八重山の医療を守る郡民の会の宮平康弘会長は「将来を見据えて350床をお願いしてきた。病床数を増やし、1床当たりの面積も大きくしてほしい」、八重山病院OB会の川平永光事務局長も「増設にも対応できるようにしてほしい」と要望した。
伊江局長は「現在の病床利用率を踏まえ、将来的な高齢化も含めて302床が妥当だという考えで、病院運営や収支計画の点からも350床を維持するのは難しい。必要性があれば増築できる構造になっており、その都度対応していくことになる」と理解を求めた。
与那国町長寿福祉課の小嶺長典課長が空港や港からのバス路線確保を求めたのに対し、県病院事業局の担当者は「病院敷地内にバス停を設置する方向でバス会社と調整している」と述べた。