日本トランスオーシャン航空(JTA)の金城清典取締役路線事業部長は5日、スカイマーク撤退後の石垣—那覇路線の運賃について、現行水準から大幅に値上げすることはない、との考えを示した。5日、国交省に運賃を届け出た那覇—宮古の料金に、距離を加味した料金設定を検討しているという。石垣市役所や八重山毎日新聞社などを訪れ、社の方針を伝えた。
那覇—宮古路線は3月29日〜6月末の間、3日前から前日まで予約購入可能なチケットが片道7500円(現在6800円)〜1万1200円(同額)と、ほぼ据え置き。
JTAは、この運賃に宮古から石垣までの距離を加えた料金設定を検討しているが、3月29日から新規就航するスカイネットアジア航空(ソラシドエア)=本社宮崎市=がJTAの想定する運賃より高くなっているため、JTAは国交省と運賃設定を調整している。
金城部長によると、航空業界では、新規航空会社を保護・育成するため、既存航空会社が新規航空会社の運賃より安く設定することができない仕組みになっているという。
金城部長は「JTAでは社内のコスト削減で、石垣市の観光振興と地元利用を考慮しながら安定運航が可能な料金を考えている。だが、新規航空会社を保護・育成する制度が、その妨げになっている。ソラシドエアも地元の要望を認識した上で対応してほしい」と話した。
また、金城部長は、SKY撤退後の一括交付金を活用した離島割引制度については、既存航空会社と新規航空会社間で普通一般運賃が違うため適用されない見通しを明らかにした。