ハーブ「命草」の特色を生かした魅力あるまちづくりを推進しようと開催される「ハーブフェスティバルin八重山」(同実行委員会主催)は6日からハーブウイークに入り、石垣市15カ所、竹富町上原1カ所でオープンガーデンが始まる。自宅庭で命草を栽培して食べたり、飲んだり、虫よけにしたりするなど、日常生活に命草を取り入れている民家もあり、命草活用の参考になりそうだ。
オープンガーデンに参加する事業所や民家のうち、石垣市新川244の大塚明さん(48)宅ではピパーツ、長命草、クミスクチン、月桃、テッポウユリ、アロエベラ、ザクロ、ツボクサなど60種類を栽培。ほかにも果樹50種、観賞用植物80種と豊富で、赤瓦の大塚さん宅は緑に囲まれている。
自宅は妻の実家で3年前、居を移した。人に貸していたため、庭が荒れていたという。ハーブなど植物に関しては「ど素人」だったが、知人の指導を受けたり、自ら勉強したりして栽培の仕方を学び、試行錯誤を繰り返して今の庭を築いたという。薬草の効能を記した資料も集めている。
栽培した薬草はお茶にしたり、料理に使ったり、入浴剤にしたり、薬として使用したりとさまざま。「ゴキブリとムカデが寄りつかない」と畳の下に月桃の葉を入れて虫よけ。夏場は子どものあせも対策に桃の葉とドクダミの葉を入浴剤にしている。
大塚さんは「自宅の庭で植物と人間の共生を目指している。最終的には森をつくりたい。木々が生い茂る森ではなく、土を森にしたい。森の土は、肥料をやらなくても植物が育つ。木に実がなり、鳥が食べてふんを落とす。葉が落ちて朽ちる。自然に肥料ができるようにしたい。これが植物にとっても人間にとってもよいことだと思う」と話している。
オープンガーデンの場所は、実行委員会のホームページ(HP)や「命草本」で紹介されている。石垣市のHPからもアクセスできる。