竹富町の町役場移転・新庁舎建設に向けた住民投票の実施について、川満栄長町長は3日、2015年度内に実施したいとする考えを示した。同日午前、住民投票の早期実施を求めた元町民代表らの要請に応えたもので、川満町長は町新庁舎建設のあり方検討有識者委員会(上妻毅委員長、委員10人)の進捗(しんちょく)を見ながら住民投票の実施時期を明確にしていく考え。
住民投票の実施時期について川満町長はこれまで「2期目任期内(16年9月まで)の3年目(昨年9月)以降」「町新庁舎建設のあり方検討有識者委員会の提言終了後」としてきた。
川満町長はこの日の要請に対し、「住民投票は議会からも早期実施の要望があり、15年度の施政方針の中で(実施時期を)示していこうと考えている。町新庁舎建設のあり方検討有識者委員会の意見がまとまったあと、住民投票を実施していくタイミングを見計らいたい」との考えを示した。
この日要請したのは石垣金星(69)=祖納=、上勢頭保(65)=竹富=、津嘉山彦(64)=中野=の3人。
要請書では役場の位置を▽石垣島▽西表大原—の選択方式で実施することや、▽中高生や町役場職員を投票対象にするかどうかの協議▽住民投票の結果を町当局と議会、町民が尊重すること—なども求めている。
3人は、石垣市内での町役場移転が議論されていた1977年3月、町議会総務財政委員会公聴会で故・仲盛長儀氏とともに町民代表として賛否双方の立場から意見陳述している。
石垣氏は「自分たちが生きている間に役場の位置づけを決着させてほしい」、上勢頭氏は「現在の危険家屋に居続けてもいいのか。本庁舎を早めに大原に移して各島々の支所機能を充実させてほしい」、津嘉山氏は「住民投票の結果を町民すべてが受け入れてほしい」とそれぞれ述べた。