石垣市議会の市役所新庁舎建設調査特別委員会(伊良皆高信委員長、委員8人)は3日、議員協議会室で3回目の審議を行い、建設位置を決める新庁舎建設基本計画策定委員会(委員長・神谷大介琉球大学工学部助教、委員19人)での議論が現地建て替え派と高台移転派に二分化されている状況を受け、「このままだと結論は出ない」として、専門家らが客観的な立場からアドバイスしたり、情報を提供したりする第三者機関の設置を市側に求めることを決めた。
この日の特別委は、第3回策定委の内容について担当課から説明を受けた後、委員から「策定委の議論は現地派と高台移転派に分かれ、議論が硬直化している。どんな資料を出してもこれ以上変わらないだろう。このままだと感情論になって結論は出ない」「このまま平行線をたどれば世論が二分されかねない。かつての新空港のような対立する状況を招きかねない」と懸念する声が相次いだ。
宮良操氏は「学識経験者らで第三極のような組織をつくり、市役所の機能、防災上の役割、経済面などがどうなるのか検証し、情報を提供すべきだ。講習会や学習会なども開催し、市民が納得できるシナリオをつくっていくべきだ」と指摘した。
これを受け、伊良皆委員長は「全市民が納得できる形にしないと新空港のような状況になる。当局は知恵を出さないと大変なことになる」と述べ、特別委として当局に第三者機関の設置を要望することを提案、賛同を得た。
第三者機関について伊良皆委員長は「第三者の視点で客観的にアドバイス、情報提供ができるような組織」と説明した。
特別委の委員8人は5日、特別委以外の議員4人を加えた12人で、高台への庁舎移転を決めている和歌山県海南市を視察する。この結果を踏まえ、策定委員とも意見交換したい意向だ。