臓器移植や臓器提供への理解と協力を求める「臓器移植を知るシンポジウムIN石垣島」(県保健医療福祉事業団主催)が1月31日午後、石垣市民会館中ホールで開かれ、県立病院3院の医師が講師を務め、腎移植の現状について述べたほか、腎臓移植を受けた石垣市に住む喜屋武美千代さん(51)が体験発表した。会場には大勢の市民が訪れ、講話や体験発表に熱心に耳を傾けた。
同シンポは県内で毎年10月に開催されている。講師によると、腎移植には身内などから提供を受ける「生体腎移植」と脳死や心臓停止で亡くなった人から提供を受ける「献腎移植」があり、「生体腎移植」は近親者で適切な提供者がいれば移植できるが、提供者にリスクが伴い、県内でも2013年に生体腎提供者が死亡するケースが起きている。
一方、「献腎移植」は近親者が手術するリスクは伴わないが、条件を満たす提供者が現れるまで何年も待つ可能性があり、県内では2013年12月末時点で人工透析を受けている4253人のうち、255人が移植手術を待っている。
県立南部医療センター・こども医療センター腎・リウマチ科の和氣亨部長は「1987年から27年間で126人(年間4・6人)が献腎移植を受けているが、移植まで平均待機時間は14年間となっている」と述べ、献腎移植への協力を呼びかけた。
セミナーではこのほか、県立中部病院腎臓内科の宮里均部長と豊見城中央病院外科の大田守仁医長が講演した。