石垣市新庁舎建設基本計画策定委員会(委員長・神谷大介琉球大学工学部助教、委員20人)は30日午後、市港湾課2階検査室で第3回会議を開いた。建設位置について前回に続き、現地建て替えと高台移転で委員の意見が割れ、絞り込みには至らなかった。建設位置は議会から慎重な対応が求められ、次回委員会が次年度以降にずれ込む可能性もあることから、当初、年度内で予定されていた基本計画案の答申は見送られる公算が大きくなった。神谷委員長は「考慮、配慮するべき点を明確にし、皆さんに納得してもらえるものにしたい」と述べた。
この日の委員会では事務局から市が昨年実施した地域意見交換会で市民から挙がった新庁舎建設位置として①現在地②旧石垣空港跡地③八重山病院跡地④バンナ公園入り口付近—の4カ所の比較表が提示されたが、これに基づく具体的な建設位置の検討はなかった。
比較表では、現地の美崎町は液状化が懸念され、旧空港跡地は国有・県有地のため事業化に時間がかかる。また土地利用調整ゾーンの八重山病院跡地とバンナ公園は周辺の集落環境や自然環境への配慮が必要とされている。
建設位置についての議論では、「津波が発生した際、まちを守る役所がしっかり機能できるよう高台移転がよい」、「現在の建築技術では耐震性や高層化も可能。地域経済のためにも現在の場所で防災力を高めて建設すべきだ」と、委員の意見が現地建て替えと高台移転で平行線をたどった。この他「総務や企画などは高台の庁舎、手続き関連などは現地の庁舎」と、役所機能を分散する形での庁舎建設の提言や、高台への移転新築を予定していた那覇市が元の場所に建て替えた経緯を調べてはどうか、という意見もあった。