先日、石垣島・白保に空港をつくらせない大阪の会の江下時代さんから「青珊瑚」の冊子が新聞社に届いた。1985年4月に発足以来、会報として関西、九州、四国の会員に購読してもらっていたが30年を節目に活動に終止符を打つことから最終号(第117号)を冊子にまとめ送ってきたものだ▼この間何度も白保に通っていたという江下さんら大阪の会との面識はなかったが、会報が本紙の記事を多用し、筆者が「新石垣空港物語」を発刊したこともあり、贈られたようだ▼最終号には60人近いメンバーからのメッセージや迎里清さんら白保の人々との写真記録、30年の歩みの年表などが収められているが、そこから奄美出身の栄篤志代表や事務局の江下さんらの粘り強い地道な活動の様子がうかがえる▼新石垣空港は候補地を三転、四転させ30年余の曲折を経て13年3月現在地に開港したが、メッセージを見ると最終的に白保のサンゴが守られたことへの安堵(あんど)感が見て取れる▼当時は自然保護か開発かが大きな論点だったが、東京をはじめ大阪の会の活動が、八重山の人たちにも自然の大切さを深く認識させることになった▼その白保の海を守る闘いは、辺野古の海を守る闘いにつながり、メンバーの多くが民意無視の国の暴挙に憤りと危機感を募らせている。(上地義男)
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