1月26日の「文化財防火デー」にちなむ防火訓練が27日午後、国指定重要文化財(重文)の旧宮良殿内で行われた。訓練は雨の中で行われ、旧宮良殿内の敷地内で見学客が捨てたたばこの火が原因で火災が発生したとの想定で実施。管理人が初期消火に続いて石垣市消防本部に通報し、消防隊員が駆け付けた。
市消防本部の大工嘉広消防長は「6分間の訓練の中で無駄な動きもなくスムーズに終わった。おおむね良好だった」と講評。石垣朝子教育長は「神妙な気持ち。これまで守り、育んできた財産を失うことのないよう最善の策を講じ、万全を期していく」と述べた。
文化財防火デーは、現存する世界最古の木造建造物である法隆寺金堂が1949年1月26日に焼損した後も、国宝級(当時)の文化財の火災による消失が相次いだことや、50年に文化財保護法が制定されたことを受け、定められた。
旧宮良殿内は1972(昭和42)年、国の重文に指定。消火設備は消火器4本、屋外消火栓1機、自動火災報知機1機、火災通通報装置1機。