竹富町が招集した臨時議会は26日、本会議を開かず、16日の臨時議会に続き流会となった。西表製糖工場の工事遅れに伴う農家支援費を盛り込んだ一般会計補正予算案を審議するもので、執行部の責任を追及する野党側と与党側の協議が難航。与党側は強行採決を図ろうとしたが、議長・副議長が賛成多数による採決を避けた。
町議会は、午後に開いた全員協議会で意見を交わし、農家支援策には与野党ともに賛成しているものの、議案の緊急性と責任を明確にする必要性で与野党の意見が割れた。
与党の山盛力氏は「農家のことを第一に考え、一日も早い農家救済が必要だ。責任追及はその後でもよい」と緊急性を強調。野党の西大舛騠旬氏は「多くの農家に影響を与え、町の財政からの支出となるとほかの町民に納得できる説明をするためにもどこかで責任をとらないといけない」と執行部の責任を追及。
野党の新田長男氏は「工期の延長も認めて業者の責任もない。契約書も提示しない。業者、行政、議会、どこに責任があるのか」と指摘。大久研一氏も「農家を支援したいが責任はしっかり明確にしなければならない」と述べた。
議運委員長の東迎一博氏は「契約書も出せず、納得できる材料もない。契約書を提示するなど執行部側が透明性を保つことも必要だ」と述べ、議運で議事日程や議案の取り扱いを決めなかった。
このため、与党の那根操氏が川満栄長町長と調整。午後4時すぎに議運を経ないまま与党多数による採決を図ろうと那根、山盛、渡久山康秀、三盛克美、波照間純一の5氏が議場に入ったが、議会運営規則に定められた午後5時まで野党側と議長、副議長が議場に入らず、過半数に満たないため流会となった。