新川川の川沿いでNPO花と緑の石垣島(波平長吉代表、会員201人)が2006年から11年にかけて植えたフクギの苗が、一部で2㍍余りの高さに生育し、フクギ並木の景観をつくり始めている。苗木が枯れたり、倒れたりした場所には直接種子を植えて補うなど試験的な取り組みも開始、「今後、5年をかけて増やしていきたい」(波平代表)としている。
同石垣島は発足の翌年の06年3月、河川を管理する県の協力を得て、「新川川に木陰ロードをつくろう」と市民に呼びかけ、フクギの苗100本を初めて植えた。
現在、川沿いには県が植樹したものも含め計約530本確認できる。これ以上の本数が植えられたが、台風で倒れたり、北風の影響で枯れたり、誤って草といっしょに刈り取られたりしたため、フクギの列が途切れている。
同石垣島によると、フクギはまっすぐ下に根を伸ばすため、底の浅い一般的な鉢で育てられた苗は根が曲がってしまい、移植後の生育に影響するという。このため、種子500個前後を直接、川沿いに植えたほか、高さ30㌢の鉢を使用した苗づくりに取り組んでいる。
芽が出るまで約1年。昨年11月末、自宅で105鉢に種子を植えた波平代表は「毎年続け、3年をメドに苗づくりを確立したい」と意気込む。
初代代表の前津栄信顧問(79)は「シードー線にはヒカンザクラが植えられていたが、吹き下ろしの北風で育たなかった。新川川にフクギ並木をつくるのは花を北風から守るため。フクギで防風林を造り、明るい花をつける木を植えたい」と話し、濃い緑のびょうぶに色鮮やかな花が咲き誇る風景を思い描いている。
波平代表は「会員やサポーターを増やし、除草などのボランティアに協力をいただけるようにしていきたい。学校の入学、卒業などを記念して子どもたちに植樹してもらうことも計画したい」と話している。