寒風が吹く名護市辺野古では、きょうも子や孫のためにと新基地建設に反対するオジーやオバーらの抗議行動が続けられている▼昨年末の県知事選と衆院選で、新基地建設ノーの民意が示されてもなお国の強行手法は変わらない。抗議する県民を海上では保安庁が拘束、陸では県警がごぼう抜きし、けが人が出る異常事態の様相をみせている▼県民同士が抗議、拘束、ごぼう抜きという対立する構図。大学生の「邪魔扱いしないで」の呼び掛けに、警備する警察官は目頭をこすって空を見上げたという。お互いに苦しんでいるのだ▼辺野古の現状は、翁長雄志知事が言うように「なぜウチナーンチュは自分で持ってきたわけでもない基地を挟み、いがみあうのか。誰かが上から笑ってはいないか」と思えてならない▼県民に寄り添うことなく、米軍の都合のみを優先する安倍政権の対応。集団的自衛権の行使容認に続き、今年は憲法の改正か。戦争ができる国を目指す政権の思惑が、国民に露見しないように特定秘密保護法がにらみをきかせる▼みんなが「このままではいけない」と思っていても、各自バラバラな思いだけでは力になり得ない。優れた指導者によるエネルギーの集約化が必要だ。沖縄の現実は、それを私たちに問いかけている。オール沖縄の創造性こそ学びたい。(鬚川修)
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