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南洋の理想郷と地上戦 平和祈念館特別展

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県平和資料館の特別企画展「南洋の群星が見た理想郷と戦」の展示物に見入る高校生ら=17日午前、八重山平和祈念館

 沖縄県出身者が戦前にサイパンやテニアンなど旧南洋群島に渡り、地上戦に巻き込まれ、引き揚げるまで一連の体験を紹介する県平和資料館主催の第15回特別企画展「南洋の群星(むりぶし)が見た理想郷と戦(いくさ)〜70年の時を超えて旧南洋群島ウチナーンチュの汗と血そして涙」が17日、八重山平和祈念館で始まった。「希望の島」から「玉砕の島」に変わっていく様子を伝えている。八重山出身者の証言なども展示されている。

 旧南洋群島に希望を抱いて移り住んだ県出身者は5万5000人。サイパンやテニアンの地上戦などで一般住民のうち約1万5000人が、玉砕か自決、餓死などで犠牲になり、このうち県出身者は約1万3000人を占めるという。

 展示は、旧南洋群島に移り住んだ県出身者がどのような生活を送っていたのか、「絶対国防圏」として位置づけられた旧南洋群島で何が起きたかを分かりやすくまとめ、地獄と化した地上戦を証言や写真で紹介。さらに戦後の引き揚げから慰霊祭まで一連の動きが時系列に理解できるようになっている。

 開会式に出席し、説明を受けながら企画展を見た八重山農林高校1年の嶺井千裕(ちひろ)さんは「沖縄の人たちが移民として活躍していたことを知り、県出身者のすごさを知った。また、沖縄戦とは違う地上戦があることも知ることができた」、八重山商工高校3年の黒石愛香さんは「沖縄出身者の移民を誇りに思う。沖縄戦やマラリアは知っているが、旧南洋群島で地上戦があったことは知らなかった。未来を平和にしていきたいと思った」と話した。

 企画展初日は午前10時から開会式があり、登野城正一分館長、川満栄長竹富町長、八重山戦争マラリア遺族会の佐久川勲会長があいさつ。八重山特別支援学校3年の横目亮太君ら高校生代表3人とともにテープカットを行った。

 佐久川会長は「企画展の開催は意義あること。貴重な資料が展示されており、ぜひ多くの人に来場してもらいたい」と呼びかけた。

 同企画展は2月26日まで。開館時間は月曜日を除き午前9時〜午後5時。無料。


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