【与那国】与那国町と防衛省は16日夜、陸上自衛隊沿岸監視部隊配備に伴って久部良地区で設置が計画されている沿岸監視レーダーの電磁波が人体に及ぼす影響や安全性に関する説明会を久部良多目的集会施設で開き、町民ら約100人が参加した。電気安全環境研究所電磁界情報センターの大久保千代次所長が世界保健機関(WHO)のデータを示しながら安全性を説明、出席した町民からは「数字の羅列ばかり。質問の答えになっていない」と批判的な意見も挙がったが、混乱などはなく約2時間で終了した。
同レーダーは、最も近い民家から180㍍しか離れておらず、陸自配備に賛成・反対の双方の住民から人体に及ぼす影響について不安の声が挙がっている。
大久保所長は同レーダーが人体に与える影響について「科学的に100%、絶対に無害という証明は難しいが、電波法的にも基準を超えた使用は考えられない」と説明。
子どもへの影響についてもWHOの資料をもとに「大人と子どもに差はないと解釈している」とした。
出席した町民から「いろんな資料に電磁波の危険性が触れられている」との質問があり、大久保所長は「誤った情報に踊らされている。国や国際機関など信頼性のある情報ではない」と述べた。
沖縄防衛局の森浩久企画部長は「わが国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増している。そのなかで南西部の島しょ地域の防衛は重要」と述べ、沿岸監視部隊配備に理解を求めた。