1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震による阪神・淡路大震災からまもなく20年になる▼波打つように倒壊した阪神高速神戸線や崩れたマンションなど、戦後最大の都市型災害では6434人が亡くなり、日本国内のみならず世界中に大きな衝撃を与えた▼兵庫県内の各地では成人の日の12日、復興と共に成長してきた若者たちが新成人を迎え、震災を経験した最後の世代として教訓の継承を誓った▼震災当日、母親のおなかの中にいた新成人。父が倒れた家具から母親を守り生まれることができた。「親に恩返ししたい。生まれてよかった」と感謝する。いつも寝ていた幼児用ベッドにテレビが落下。その日に限っておかんが自分のベッドに移して無事だった。淡路市の大学生は「おかん、守ってくれてありがとう」の言葉を決して忘れない▼県内でも今年、前年よりも135人多い1万7271人が成人を迎え、大人の仲間入りを果たした。一方で本島では、またも新成人や後輩ら計8人が道路交通法違反や公務執行妨害などの疑いで現行犯逮捕された。残念だった▼新成人は社会の一員として大きな可能性を秘めている。人生の中で一番エネルギーにあふれ夢を見る世代でもある。若者らしくさわやかに自分自身を磨いてほしい。(鬚川修)
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