出勤時に「視界が悪い」と思い、スマホアプリで調べるとPM2・5が「非常に多い」と出た。国境の島は、北風で中国の大気汚染に覆われる▼黄砂、漂着ごみに次ぐ迷惑物質で、過剰反応はいけないが、PM2・5について、国や県の広報は極めて少ない。毎日ジョギングしている人々を除けば、一般的に関心は薄いが、昨日の朝は、北京の3分の2ほどの汚染状況だったよう▼冬になると、郡内の各島々は中国や韓国系の漂着ごみが次々と流れ着く。ボランティアが片付けても、一週間もしないうちに再び汚れる。驚くのが、この4、5年前まで東シナ海の海洋汚染は、日本政府ですら深刻には受け止めていなかった▼冬場の八重山は、決して美しい海とはいえない。たとえ海の色がコバルトブルーだったとしても、浜辺はペットボトルや漁具が散乱し、医療系ごみだってときおり見かける。客を案内していると、恥ずかしい▼スマートフォンが普及したいま、PM2・5用のアプリも数多く出回っている。風邪対策とは別に、マスクを使用している人も見かけるようになった。慣れというのは怖い▼尖閣問題で日中関係は冷え切っているが、このままだと迷惑するのは、風向きでPM2・5の影響を受けやすい郡民や県民だ。しっかりと話し合う場を設けてほしいし、政治家も動くべきだろう。(黒島安隆)
↧