開会中の12月定例竹富町議会(新博文議長)は9日、本会議を開き、町職員の再任用に関する条例案や町過疎自立促進計画の一部変更案など5議案を審議した。地方公務員の再任用制度は公的年金支給開始年齢が2013年度から段階的に引き上げられ、退職者の無収入期間が発生しないように各自治体が導入しており、新田長男氏は「すでに退職した再任用希望者から不公平感が出るのではないか」と条例整備の遅れを指摘した。
嘉良隆総務課長補佐は「条例整備の時期が遅いという点については説明できない。再任用職員の職責や活用方法については課内で勉強し、今議会に上程している」と理解を求めた。
新任職員採用への影響について川満栄長町長は「その年の退職者数を基準に採用試験の合格者を発表しているが、新任職員の門戸を狭めることがないように調整し、再任用希望者を募ることを考えている」と答えた。
また、西大舛高旬氏が「一方で勧奨退職を勧め、もう一方では再任用も勧めることは矛盾するのではないか。上司だった人を再任用しても役場内のトラブルの元になるのではないか」とただした。
川満町長は「勧奨退職も再任用も本人の自主的な判断に委ねている。再任用後の職務、身分については本人に自覚してもらい、協調性を持って働いてもらえるように努めたい」と述べた。
保育士や幼稚園教諭が不足している現状を踏まえ、三盛克美氏が「再任用制度を活用して町内で人材をプールし、幼稚園や保育所から要望があった際に派遣できるシステムはできないか」と提案。
嘉良補佐は「条例が可決されたあと、要項などを定めていく中で再任用制度の運用方法を考えていきたい」と答えた。
国民健康保険条例の一部改正案では東迎一博氏が説明を求め、與那覇忠健康づくり課長が出産育児一時金の支給額を39万円から40万4000円に増額する内容を説明した。