黒島家畜市場の今年のセリで取引された子牛の平均価格は50万円に迫る49万8159円となり、前年を5万4210円(12.2%)上回る過去最高を記録した。同価格は▽2011年=32万676円▽12年=35万9904円と推移し、3年間で約17万7500円(55.3%)値上がりした。取引頭数は866頭と前年から29頭(3.2%)減少、取引総額は3億9461万円で前年を3006万円(8.4%)上回った。
JAおきなわ八重山地区畜産振興センターの幸喜英信畜産課長は「全国的な素牛不足と枝肉市場の高騰が高値につながった」と分析、「素牛不足はまだ続いている。今後は国の一括交付金を活用して導入した優良牛の産子が市場に出てくるので、引き続き高値が期待できる」としている。
雌雄別の平均価格は、雄(去勢)が52万7535円で前年を4万577円(8.3%)上回った。雌は前年から4万3450円(10.6%)高い45万4095円だった。
今年のセリは、1月の初セリで子牛の平均価格が49万4679円の高値でスタート。3月と5月は2回連続で50万円台に乗せた。
7月に49万円台、9月に今年最低の47万円台まで値を下げたが、今年最後のセリとなる11月で51万7254円と単月でも過去最高の高値を付けた。
年6回のセリのうち3回は平均価格が50万円を超え、年間を通して高値で推移した。
1頭当たりの最高価格は雄が78万840円(5月)、雌は59万6160円(同)で、系統はいずれも父・忠茂平、祖父・安福久。
黒島肉用牛生産組合の仲盛浩吉組合長は「申し分ない価格。品種改良に向け本土から導入した牛の子どもが上場し、系統が良くなった。組合員一丸となり、さらなる品種改良、品質向上に取り組みたい」と話した。