【西表】竹富町(川満栄長町長)が西表東部地区で建て替え整備を進めている西表製糖工場の完成が、沖縄本島で加工している鉄鋼の搬入遅れで当初の12月20日から来年2月末にずれ込むことが3日までに分かった。操業開始は3月中旬となり、今期予定されている8004㌧の原料処理は6月下旬までかかる見込みで、前代未聞の事態に製糖工場も困惑。刈り取り作業員の確保や甘しゃ糖度の低下、夏植え用の苗生産への影響も懸念されており、農家からは「死活問題」と憤りの声が上がっている。
町農林水産課(野底忠課長)によると工事の遅れは本島で加工している鉄鋼の搬入が遅れたことが大きな要因。10月末現在の工事の進捗(しんちょく)状況は、建築工事が計画82%に対して64%とポイント18遅れている。また、機械器具設置工事は計画80%に対して43%と、ほぼ半分しか工事が進んでおらず、現状の工事進行状況だと完成・引き渡しは2月末となり、試験操業などを経て操業開始は3月中旬となる見込みだ。
同課は11月28日に西表島東部地区のサトウキビ生産農家を対象に説明会を開き、工事の進捗状況を説明した。
同工場では8004㌧の原料生産を見込んでおり、3月中旬に操業が始まると操業終了は6月下旬までずれ込む。キビは気温が上がると内部の水分が蒸発し、糖度が下がると言われており、収量と糖度の低下が懸念されている。
同課の野底課長は「工事の遅れは鉄骨の納品遅れが大きな理由で建築工事が進まなければ機械器具の設置も進まない状況になっている。今後は機械の配管や電気設備の工事になっていくが、工期を短縮して一日も早く操業できるように工事業者に要望している」と説明。
また、「収量の減少や刈り取り作業員の確保、黒糖製品の品質面などの課題も出てくる。継続して地元農家への説明会を今後も開き、製糖工場と一緒になって対応を協議していきたい」と述べた。