【与那国】与那国町議会(糸数健一議長、議員6人)は28日、臨時議会を開き、外間守吉町長が17日の臨時会で可決した自衛隊基地建設の是非を問う「住民投票条例」を再議に付した。出席議員4人で採決の結果、規定数(2・66人)を上回る3人の賛成で、再可決した。与党系の前西原武三氏と大宜見浩利氏は欠席し、採決には加わらなかった。採決の結果を受け、外間町長は「真摯(しんし)に受け止め、粛々と住民投票に向けて準備していくだけ」と述べるにとどめた。
同条例は17日の臨時議会で可決されたが、外間町長が㈰高度な政治性のある自衛隊配備建設を問う住民投票に義務教育段階の中学生を参加させることは好ましくない㈪自衛隊に関する事項は国防の根幹に関わるもの。日本国籍を有しない永住外国人に投票権を持たせることは憲法に抵触するおそれがある㈫住民投票の成立要件となる投票率に関する規定が定められていない|の理由から再議を提案。
賛成討論では、崎元俊男氏が「市町村合併の際にも中学生に投票権を与え、活発な意見が出た。1票を投じる人たちの民意は大切で、投票率を設定する必要はない」、田里氏が「島の未来を担う子どもたちや税金を納めている永住外国人も同じ町民」と述べた。
前西原氏と大宜見氏は採決欠席の理由について「前回の臨時議会や、これまでも住民投票条例に反対してきた。これ以上、議論する必要はない」と述べた。
同条例を提案した田里千代基氏は「これまで町を二分していた問題を一日も早く解消したい。町長には投票結果をしっかり受け止め、今後の政策に生かしてもらいたい」と話した。
外間町長は19日に議会から可決の通知を受けており、20日以内の12月9日までに告示し、告示から60日以内に住民投票を実施しなければならない。最も遅い場合で、住民投票は来年2月上旬の実施となる。