【那覇】増加傾向をみせていた八重山の人口が宮古を10人上回る5万2728人(11月1日現在)となり、統計のある1920(大正9)年以降、初めて逆転したことが28日、県統計課が公表した県推計人口で分かった。八重山は与那国町で人口の「社会減」がみられるが、石垣市と竹富町では移住ブームなどがあり、若い世代による「社会増」が人口増加の要因とみられている。宮古は転出者の増加などが減少につながったようだ。
20年の国勢調査によると、八重山の人口は3万2063人で、宮古は5万3098人だった。戦後初の50年の調査では八重山4万3986人に対し、宮古は7万4618人で、人口差は3万632人まで拡大していた。
80年に八重山4万4314人、宮古は6万464人、2000年には八重山4万8705人、宮古5万5587人となった。八重山の人口が年々、移住ブームなどで増加する一方で、宮古は出生率が高いものの、高齢者と転出者が多いことなどによる人口の「社会減」が顕著にみられた。その後、14年10月の県推計人口まで宮古の人口が八重山を上回っていた。
今年11月1日現在の両地域の人口を前年同月と比較すると、八重山が0.35%増加しているのに対し、宮古は0.54%減少した。
県の計画として企画調整課は「雇用創出、子育て支援、移住者の定着対策などの施策展開で2100年の人口を八重山は7万1000人、宮古は5万4000人と推計している」との見通しを示した。