石垣市新庁舎建設基本計画策定委員会(委員長・神谷大介琉球大学工学部助教、委員20人)は21日、市役所で第2回の会議を開いた。資料の説明や確認に時間を要したため、具体的な建設位置の検討に入れず、早ければ12月にも開催する第3回会議に持ち越した。市が5カ所で行った地域意見交換会で現地か高台かに議論が二分される結果となったことを受け、神谷委員長は「対立構造の議論ではなく、お互いが納得できるような形に導きたい」と委員に協力を求めた。
この日の会議では、これまで2回開催した庁内検討委員会の議論と地域意見交換会の意見内容が報告された。意見交換会では防災の観点から意見が出されるケースが多かった。
オブザーバーの福山洋氏(建築研究所構造研究グループ長)は「防災の議論が多い。役所があってもなくても避難はできるようにすべきだ。すべてを建て替えの問題に結びつけてしまうと議論が複雑になる。整理すれば論点が明確になる」とアドバイスした。
神谷委員長も「移転場所がどこを前提にしているのか分からない。まず現地のメリット、デメリットなど課題を整理する必要がある」と指摘した。
市がまとめた「現地建て替えと移転建て替えの比較」によると、都市マスタープラン(基本計画)は美崎町周辺を拠点都市と位置づけており、移転した場合は「用途地域が膨張し、都市構造が大きく変化する可能性がある」としている。
地域意見交換会で移転先として挙がった旧空港跡地については、国・県所有の土地がほとんどで、土地区画整理事業を想定しているため、着工までに相当の時間を要することが報告された。