「地域の防災力向上を目指して」をテーマにした2014年度石垣市防災講演会(市・石垣島地方気象台共催)が21日午後、市健康福祉センターで開かれ、静岡大学防災総合センター教授の牛山素行氏と沖縄気象台地震火山課長の明田川保氏が講演した。
「地域を知り、防災を考える」と題し講演した牛山氏は「災害のメカニズムに関心を持つことが多いが、大きな外力が加わったから大きな被害が出るとは限らない。地震、台風などの外力(ハザード)を防いだり、なくしたりすることは困難だが、外力によってもたらされる被害は減らすことは可能だ」と述べ、国内で発生した過去の風水害の事例を紹介した。
その上で牛山氏は「災害は起こり得るところで起こる。どこで起こりやすいのか、地域を知ることが重要だ。自分の地域はどういうところなのか。災害に対してどういう特性を持っているところなのかを知ることが重要」と述べ、気象庁の各種警報の活用方法などを説明した。
「沖縄の地震活動|観測から分かったこと、分からないこと|」の演題で講演した明田川氏は「沖縄は国内でも地震がとても多い地域で、科学的な調査により、先島諸島には過去に大津波が繰り返し来襲したことが分かっている。最近の観測や研究から南西諸島付近のプレートの沈み込み状況が分かっており、次の地震の準備が進行している可能性がある」と警鐘を鳴らした。