【那覇】16日の県知事選で初当選した翁長雄志氏(64)は一夜明けた17日、那覇市久茂地の事務所でインタビューに応じ、圧勝を報じる新聞に目を通しながら当選の喜びをかみしめた。翁長氏は「離島あっての沖縄。離島めぐりで住民の意見を聞く。徹底討論による率直な意見を聞きたい」と離島振興に取り組む考えを強調した。一方、那覇市長時代に取り組んだ離島への宿泊費などを支援する「島たび助成」を八重山3市町でも可能か検討する考えを示した。
当選から一夜明けた感想を翁長氏は「県民が選挙の結果を喜んでくれた。使命感と責任の重大さを受け止め、立ち向かっていかなければならないと思っている」と述べ、決意を新たにした。
辺野古埋め立てには「法的に瑕疵(かし)があれば取り消しできる。状況の変化(選挙の結果)で県益と国益を比較して、県益に分があれば撤回できる」と説明。申請資料の厳重な調査で取り消しか、撤回かの判断を下す考えを示した。選挙結果で示された辺野古新基地反対の「民意」を日米両政府に発信する重要性も強調した。
八重山の振興では、島の良さを生かした取り組みを強調。県立八重山病院については「脳神経外科の再開、本島の医療機関などと連携した医師の確保を含め緊急、重大な使命と思っている」との認識を示した。
このほか、航空運賃の低減、廃棄物処理施設の問題、進学する離島の子どもたちのための寄宿舎、新石垣空港の交通アクセス、空港ターミナルビルの改築、クルーズ船観光客受け入れの20万㌧超級バースの増設などに取り組むとした。