石垣市商工会設立40周年記念特別講演会が11日午後、ホテル日航八重山で開かれ、国内大手洋菓子メーカー、㈱エーデルワイス会長の比屋根毅氏が「人を笑顔にするものづくり」と題し講演した。
その中で比屋根氏は「これまで『あの人がいなければ今の会社はない』という人に多く出会った運の良い人生だ。いろんな人との出会いがあって今がある」と述べ、出会いの重要性を強調した。
石垣中学校出身の比屋根氏は紆余(うよ)曲折を経て本土で食品会社・製菓業に勤務。1966年に「エーデルワイス」を創業してフランチャイズ化したものの、途中でブランド化に経営転換を図った。
これまでの経歴を振り返って比屋根氏は「当時(昭和30年ごろ)の本土では思っていたよりも沖縄への差別があり、差別への怒りに突き動かされてきた面もある。やはり怒りが今日の原動力になった」と述べた。
また、「社員を採用する時には『きょうからあなたたちはわが子だ』と話し、社員の家族にも手紙を出す。とにかく人間にほれ、信頼することで能力を発揮してくれる」と述べ、社員とのコミュニケーションの大切さを強調した。
郷里石垣島については「沖縄、石垣島のためにもっとやりたい。石垣島ならではの農産物や果物などもある。島の発展のために力になりたい」とエーデルワイスの石垣島出店に意欲を示した。
会場には大勢の商工会員や関係者が来場。聴衆から市教育委員会に図書購入費を寄贈してきた理由を尋ねられたのに対し、比屋根氏は「僕自身があまり勉強しなかったので、子どもたちには勉強してほしい。読書は本当に大切だ」と述べた。