かなり前のことだが、クジャク駆除の必要性の記事を書いたら、ある医師から電話をいただいた。「なぜ殺傷する必要があるのか」と▼「地域の生態系や農業に大きな影響を及ぼしている」と説明したが、納得しない。クジャクの繁殖力の強さも捕獲の困難さもなかなか理解してもらえなかった▼クジャクは確かに美しい。羽を広げるときらびやかで、愛らしい。市内北部地区に現れた真っ白な変異個体は神々しく見え、多くの人々を魅了した。その美しさが八重山の各島々に広がった原因でもある▼小浜島のリゾートから逃げ出し、繁殖したクジャクが、その愛らしい容姿のため、郡内各学校で鑑賞用として飼われ台風などで逃げ出して各地に繁殖したのがこれまでの経緯だ▼トカゲなどの生物から穀物や飼料まで食べる旺盛な食欲で被害が広がり、捕獲作戦が始まった。ところが警戒心が強く、なかなかワナにかからない。最終的には地域の猟友会に依頼して銃器での駆除となった▼今月も竹富町防除協議会が黒島で駆除活動を行ったが、問題は山が多く、面積の広い石垣島だ。最近は駆除が功を奏してか、クジャクを目撃する機会も少なくなったが、繁殖力はすさまじい。油断すると再び激増するため関係者は警戒を怠らないでほしい。同時に外来種を入れない市や町独自の条例も必要だ。(黒島安隆)
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