【与那国】与那国町議会(前西原武三議長)の12月定例会は19日、一般質問終了後に最終本会議を開き、「中国による尖閣諸島上空を含む防空識別圏の設定」に対する意見書と抗議決議、「しまくとぅば」の普及促進に関する宣言を全会一致で可決し、閉会した。
意見書と抗議決議は嵩西茂則氏が提案。
その中で、中国側の防空識別圏の設置が尖閣諸島を自国領であるかのように誇示していることを「日本に対する主権の侵害であり、当該海域で操業する漁業者の安心安全を脅かすもの」と批判。
また、当該空域が多数の民間航空機の飛行ルートであり、国際法上の公海上空における飛行の自由を侵害していることを指摘。「石垣空港を発着する国際線の航空路にも接近しており、民間航空の秩序と安全への影響の観点からも大きな問題である」と訴えた。
意見書は同日付で、日本政府、抗議文は中国側に送付される。
「しまくとぅば」の普及促進に関する宣言は崎元俊男氏が提案。
宣言では、県内各地の暮らしのなかで語り継がれ、愛着をもってきた地域固有の文化遺産である「しまくとぅば」が話すことだけでなく、聞くこともできない世代が増えてきていることに警鐘を鳴らし「次世代に継承していくために町民一人一人が『しまくとぅば』の価値を再認識し、理解を深め、継承していくことに努力する」としている。
具体的な取り組みはまだ決まっていない。