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テニポンで南北交流

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第2回テニポン交流沖縄県大会での師弟対決。左から2人目が菊池征児さん、その右は大城元さん=10月25日、西崎総合体育館

 【那覇】北海道の様似(さまに)町で1983年に誕生したテニポン。テニスとピンポンを合わせた新競技は、97年に県内で初めて石垣島に導入され、健康的なスポーツとして沖縄本島でも愛好者が増えている。北海道と県内への橋渡し役として、普及に尽力してきたのが北海道出身の菊池征児さん(74)である。石垣市や本島でも協会が設立され、企業や団体などが積極的に奨励。今や小学生から大人までが生涯スポーツとしてプレーを楽しんでいる。

 菊池さんらを招いた第2回テニポン交流沖縄県大会(県テニポン協会主催)が10月25日、糸満市の西崎総合体育館で行われ、県内の愛好者が北海道から参加したメンバーとプレーを楽しみながら友情の輪を広げた。

 意外と知られていないのが、菊池さんが実力者であることだ。石垣市で開催の「菊池杯テニポン大会」は、第1回から一昨年の第7回大会までクラス別での連覇を達成。2012年の南北交流大会、昨年の第1回沖縄県大会と今大会で優勝する活躍をみせている。

 高齢者なのに強い。菊池さんは理由を「少なからず、テニポンの神髄を理解し始めたからだと思う。無欲で謙虚に立ち向かうことに勝敗のポイントがある」と力説。試合については「ただ、がむしゃらにやればいいというものではなく、冷静に相手を見て、ボールに正対して向かう。こうした心構えを自分のものにした時に結果は生まれる」と熱く語る。

 今大会のBクラスでは注目の師弟対決があった。石垣市テニポン協会会長の大城元・増岡総也組が、北海道の菊池征児(74歳)ペアと対戦し、白熱プレーが会場を沸かせた。

 大城さんは菊池さんと25歳の年齢差がある。大先輩からテニポンを伝授された身として、決勝リーグで成長した姿をみせたいと試合前半から迫力あるプレーを展開。鋭いサーブで順調に連続5点を先制するなど完全勝利かと思われた。

 しかし、菊池さんの意外な動きで流れが変わった。菊池さんは冷静に左右に移動しながらダイナミックに打ち返す戦術をみせ、厳しいボールが次々とコースに落ちた。試合は見る見るうちに形勢逆転し、8−15で注目の師弟対決は終わった。

 大城さんは「テニポンを菊池先生から教えられて8年になる。高齢になった先生にそろそろ勝利できると思っていた。先生の不思議なパワーを思い知らされた」と完敗宣言。

 菊池さんは「対決できてほんとにうれしかった。ペアが気持ちを冷静にして対峙(たいじ)してくれ、勝利することができた。大城さんのプレーも立派でした」と試合を振り返った。

 開会式で菊池さんは「南北交流ができるようになり大変喜んでいる。人と人の巡り合いから始まり、それを結び合いに持っていくことは難しいが、それを実行している沖縄の皆さんに感謝したい」と強調した。テニポンが結ぶ北海道と沖縄の友情。今後も生涯スポーツを通した南北交流の広がりが期待されている。


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