台北石垣間の初の通年運航に向けた中華航空(本社・台北)の冬季運航が28日、スタートする。来年3月末まで週2往復4便運航する。通年運航決定後、石垣市内の旅行代理店では地元客を対象とした台湾向けの商品企画が活発化しているが、「冬季運航が急だったので商品が間に合わない」(旅行代理店)と、修学旅行や団体旅行シーズンを控え、対応に追われている。ただ、台湾からの利用は高い数字が出ているが「冬に島の人が台湾に行くか未知数」と期待と不安が入り交じっている。
同航空によると、今年4月からの夏季ダイヤは1便当たりの座席提供数約150席に対し、搭乗率は90%の高率を維持。台湾人旅行客の八重山観光ニーズの高さを背景に、当初計画にはなかった夏季ダイヤからの継続に踏み切った。
一方、地元の対応は国内の団体旅行や修学旅行シーズンが始まり、「(台湾向けの)商品企画や集客が間に合わない」(旅行代理店)ほか、台湾人観光客への課題とされる八重山の冬場観光がどこまで受け入れられるか不安要素は多く、見通しが立っていないのが現状。
旅行代理店でアシスタントマネージャーを務める男性(34)は「台湾からの旅行客ありきで、冬場に石垣の人がどれくらい乗るかが未知数。商品をつくる側として期待は薄い」と厳しい見方を示す。
別の男性(61)は「冬場も双方の需要があれば、(中華航空の)増便も視野に入る。だが、地元の利用客がいないと来年の通年化はない」として、中学生の修学旅行を台湾に変更するなど、行政や学校側の取り組みを求めている。
県産業振興公社台北事務所副所長で石垣市の台北駐在員、小笹俊太郎さんは「冬期運航を含め、ようやくアウトバウンドのペダルが動いた。台湾旅行もそうだが、このチャンスでビジネスも視野に入れて考えてほしい。まずは台湾に来ることが重要」と呼びかけた。