石垣市は23日、外部委員で構成する新庁舎建設基本計画策定委員会(委員長・神谷大介琉球大学工学部助教、委員19人)を立ち上げ、基本計画原案の策定を諮問した。建設位置は現地建て替えか、移転建て替えか、いずれかの二者択一。策定委は全公民館での意見交換会の結果を踏まえ、12月までにまず建設位置と事業手法を決定する予定だ。その後、地域説明会や議会説明会などを経て来年3月までに原案を確定、答申する。
市役所の本庁舎は、1970年の建設から44年を迎え、老朽化と狭隘(きょうあい)化が進み、バリアフリーにも対応できていない。教育委員会庁舎も築43年となっているため、統合した庁舎を建設する。
教育委を含めた現庁舎は延べ床面積6739平方㍍。基本構想では、新庁舎に必要な面積は1万2470平方㍍と算出されている。これには総務省の基準にはない交流、多目的、防災などの各スペースも含まれている。
事業手法について▽市が施設の設計から建設までを行う従来方式▽民間事業者がつくった施設を市にリースし、投下資金回収後に市に所有権を移転するリース方式▽PFI(民間資金活用による社会資本整備)事業者が資金を調達し、設計から運営までを一括受諾するPFI方式|のいずれかを選ぶ。
市役所建設は順調にいけば2014年度で基本計画を策定した後、15年度に基本設計、16年度に実施設計、17年度に着工、18年度の供用開始を予定している。
第1回会議は、石垣市水道部庁舎で行われ、オブザーバーの独立行政法人建築研究所の福山洋構造研究グループ長が地震・津波・液状化への技術的対策を紹介。「いずれについてもいろんな技術が提案されており、有効性も検証できていると言える」と説明した。
委員からは「市役所の場所は将来のまちづくりと整合性をとる必要がある」とまちづくりに関する構想や計画の提供を求める意見があったほか、「埋め立て地はすべて液状化するのか」として液状化に関するデータの提供を求める声があった。
策定委は各団体、周辺自治体の代表や公募市民で構成されている。