【波照間】はてるま幼稚園教諭の市橋香絵さん(36)が宇宙航空研究開発機構(JAXA)の第21回「宇宙を教育に利用するためのワークショップ」で来年2月、米国へ派遣されることが決まった。JAXAがこのほどホームページで発表した。八重山から初。沖縄から3人目の派遣となる。市橋さんは「連絡が来たときはうれしかった。一方で責任の重さも感じた。波照間島のことも正しく伝えてきたい」と抱負を述べた。
同ワークショップは米国航空宇宙局(NASA)のスペースセンター・ヒューストンが主催する教育関係者向けのイベント。世界各国から600人以上が参加。170ほどのセッションに分かれて発表や情報交換が行われる。市橋さんは「手のひらに宇宙をつめこむ! 万華鏡づくり」をテーマに発表を行う。
国内では幼稚園から高校の教師を対象に、現場で実践されている宇宙を題材とした指導方法・事例について募集。年に2~3人を派遣している。
市橋さんは同幼稚園に赴任した2013年4月以降、同島の星空観測タワーでの七夕会や宇宙船打ち上げ映像の観賞会、保育教材「地球ゴマ」の導入などに加え、宇宙をイメージした万華鏡づくりを通して、宇宙船でも活用している鏡や光の反射など、身近な宇宙を園児たちに体験させている。
市橋さんは群馬県出身。芝浦工業大学工学部卒。卒業後は宇宙通信株式会社に就職しエンジニアとして3年間勤務。小学6年生のとき、旧ソ連の宇宙船「ソユーズ」が宇宙に飛び立つテレビ中継を見て、宇宙飛行士に憧れたという。社会人時代は、満天の星を見に年に数回、波照間島に通ったという。
比嘉達園長は「昨年は学校で水ロケットの実験があり、子どもたちの宇宙への関心も高くなった。今回の朗報で、さらに大きな夢を持つきっかけになればいい」と喜んだ。