川平小中学校(石垣幸子校長)の児童生徒57人が17日、川平地区の側溝や雨水溝からのごみが海へ流れ出るのを防ごうと側溝のふたに「この先海です。ごみを捨てないで」とペイントして啓発を図った。この後、地域住民に同じメッセージが入ったステッカーを配り、協力を呼びかけた。これはNPO法人海の自然史研究所(藤田喜久代表理事)が考案した「この先、海ですプロジェクト」の一環。
藤田代表理事(琉球大学教育センター非常勤講師)は「川平湾は県内でも珍しい閉ざされた特殊な湾。珍しい生物も生息している。生活の中からきれいな海にごみが流出するのを伝えたかった」と述べ、活動の継続を期待した。
髙嶺心萌(ここも)さん(6年)は「雨水溝が海につながっていることを初めて知った。ごみで魚が死ぬことも分かったので、いい経験になった」。喜舎場兼士君(6年)は「地域の人たちに雨水溝のごみが海に流れていることを伝えられてよかった」と話した。住民の一人、宮里貞子さん(70)は「子どもたちが環境を意識することは大人にも影響を及ぼすので、いい活動だと思う。川平に長年住んでいるが、20、30年前とは海やサンゴの色が全然違う」と話した。
この日の活動に先立ち、16日には座学があり、藤田代表理事が低学年児童に絵本の読み聞かせ、中学年以上には陸からの負荷が海に及び、サンゴが減ってきた現状などを話し、生活ごみの海への流出を防ぐことの大切さを教えた。