6月24日に施行した石垣市ヤシガニ保護条例に基づき、市は16日までに、捕獲を全面禁止する保護区の候補地として、伊原間以北の西海岸沿い3カ所を決めた。面積は約106㌶。水産課によると、島内5カ所を調査した結果、個体数が多かった3カ所を、保護効果が期待できるとして候補地に挙げた。
今後、外部委員を加えた協議会での詳細な検討を経て、年内には正式に指定したい考え。指定されれば、3カ月後に罰則規定(10万円以下)が適用される。市は、個体を保護しつつ生態調査も行っていくことにしている。
ヤシガニの生息には、エサとなる多様な植物が自生する森林部と、繁殖時に必要な海岸部との連続した空間が必要なことから、広域的・一体的に保全する目的で保護区が設定されるもの。
これにより市は資源の枯渇を防止し、定期的なモニタリング調査を実施して効果を検証、必要に応じて保全対策を講じる考え。定期調査は、ヤシガニの成長が遅いため毎年は行わず、4年ごとの実施を予定し、捕獲個体の数や体長をデータ化する。
候補地は、平久保小学校の北約8.26㌶、同小の南約35.44㌶、伊原間から明石までの約63.11㌶。
水産課によると、候補地は民有地が多いという。保護区に指定されると、民有地の場合、ヤシガニの捕獲が全面禁止になる一方、建築物や土地の開墾など現状変更の制限はない。市有地の場合は現状変更の行為も制限される。
条例によると、保護区外では9—11月の期間のみ、オス(胸長40㍉以上55㍉未満)の捕獲ができる。
保護区の候補地は市のホームページで閲覧できる。