柔道の五輪メダリストで筑波大学体育系准教授の山口香さんによる講演「強さはやさしさ~柔道から学んだこと」が15日夕、市民会館中ホールで開かれた。山口さんは柔道を通して得た自身の考えについて述べ、150人余りの市民が話に耳を傾けた。
これは、県の2014年度地域人権啓発活動活性化事業の人権講演会として、石垣市と八重山人権啓発活動地域ネットワーク協議会が共催して開催した。
山口さんは6歳の時にテレビ番組の姿三四郎に憧れて柔道を始めた。中学生で全日本チャンピオン、高校1年で世界女子柔道選手権準優勝、全日本女子体重別選手権大会52㌔級で13歳から22歳まで10連覇を達成。さらにはソウル五輪で銅メダルを獲得するなど活躍し、1989年に現役を引退した。
講演で山口さんは、現代の柔道を確立し、「柔道の父」「日本の体育の父」と呼ばれる嘉納治五郎の考えを紹介した。
その上で「柔道の目的はメダル獲得などではなく自己を完成させること。そして鍛えた体の強さは弱い者を助け、強い者に立ち向かうため。世の中のためにならない柔道の鍛錬はありえない」と呼び掛けた。