【西表】竹富町(川満栄長町長)が西表島で整備を進めている西表製糖施設の整備工事は、9月末までの工事進捗(しんちょく)状況に15~28%の遅れが出ている。町農林水産課(野底忠課長)によると、全国的に鉄鋼関連の加工・搬入が遅れているのが要因。年明け早々の操業開始に影響が出る恐れがあり、農家からは「刈り取り人員をいつから雇えばいいのか分からない状況になる」と不安の声が出始めている。
工事は5月中旬に着工。年内の完成、年明けの操業開始を見込んでいた。工期は残り3カ月と迫っているが、町農林水産課(野底忠課長)によると、9月末までの工事進捗(しんちょく)状況は、機械器具(プラント)設置工事で予定出来高68%に対して40%と28%。工場建築工事1工区で予定61%に対して46%と15%、第2工区も予定56%に対して41%と15%の遅れが出ている。
一方、屋外排水ポンプ施設や屋外受水タンク、屋外配水施設の各種付帯施設の工事は予定10%に対して実施10%と遅れはない
野底課長は「プラントは本土の工場でほぼ出来上がっている状態だと聞いている。鉄鋼が搬入されるまで付帯施設の工事を優先して進め、鉄鋼が搬入され次第、建屋の整備工事とプラントの整備に集中することで工程の圧縮を図りたい」と話している。
旧工場はすでに解体されているため、新工事建設の遅れは操業開始に直結するが、同課では「現段階では年内の工事完成を目指して取り組むということに尽きる」としている。
西表島サトウキビ生産組合の山城富正組合長は「年明けからの操業予定がずれてくると、農家も刈り取り人員をいつから雇えばいいのか分からない状況になる。来期に向けた肥培管理や春植え、株出しの遅れも出てくるのではないか」と懸念している。
山城組合長によると、工事の進捗や操業時期について、農家からは町側に説明を求める声も上がっているという。