台風に慣れている沖縄の人々をも戦々恐々とさせた台風19号は、本島などに被害を広げて通過した▼沖縄、特に先島は台風の常襲地。台風への備えは強固だが、宮古と八重山では対応に大きな差がある。台風被害を教訓としてどう生かし、改善するかだ。先日、宮古島で感心したことがある▼市内は電線や電話線の地中埋設が大きく進み、国・県道沿いは電柱が大幅に減った。宮古土木事務所によると、県道平良城辺線の約6.2㌔、高野西里線1.2㌔はすでに完了▼さらに国道390号線の2.8㌔、1.95㌔区間で工事が進められている。加えて市町村道路の地中埋設整備も、第7次計画に向けて活発に要請が行われているという▼宮古島は2003年の台風14号で甚大な被害を受けた。電柱がなぎ倒され、停電が長く続いた。この被害を機に電線や電話線の地中埋設要請が行われ、急ピッチで整備事業が始まった。近年は電気、電話事業者に負担をかけない「要請者負担方式」(宮古の場合は県)事業が進められている▼現在、国道の整備ペースは年間約1㌔。この話を聞くと、石垣市との差を感じる。市でも2006年に台風13号の大被害があったからだ。電線類を地中埋設すれば、停電被害も減る。市は防災対策でその要請に動いたのだろうか。(黒島安隆)
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