2012年に石垣市立八重山博物館(東迎正則館長)に寄贈された喜舎場永珣氏(1885~1972年)の資料を整理し、調査する第1回調査会が9、10の2日間、同館で開かれ、調査員10人に委嘱状を交付したほか、調査方針や方法などについて話し合った。
寄贈された資料は古文書や調査ノート、スクラップ、写真、レコード、テープなど460件2927点。文化庁の補助を受けており、同庁文化財部美術学芸課文化財調査官の髙梨真行氏も出席した。
2年の継続事業で、本年度は古文書類や調査ノート、写真、音声資料の整理・分類作業に着手する。
10日は調査員が資料を手に取りながら、状態をチェック。中には芭蕉紙の古文書もあり、髙梨氏は「琉球王府では極めて日常的にあった紙で、一般的に使われていたのだろう」と話した。
現在、資料は茶封筒や段ボールに入れられている状態で、波照間永吉調査員(県立芸術大学付属研究所長)は「あまり良くない。中性紙封筒に入れて平積みし、ラックのようなものにコンパクトに収めていくような工夫が必要では」と指摘。さらに「県立芸大に来てもらい、先行事例を見た方がよいと思う」と述べた。
髙梨氏は資料を見る上で「年代や紙質、丁数などの情報もあった方がよい」などと話した。
調査員は次の各氏。
▽会長=石垣博孝(市文化財審議会委員長)▽副会長=砂川哲雄(元県立図書館八重山分館長)▽委員=黒島為一(元市史編集室長)、田本由美子(市立教育研究所長)、波照間永吉(県立芸術大学付属研究所長)、松村順一(市史編集課長)、古堅博之(市教委文化財課長)