石垣市の要請を受け、屋良部半島の市有地に不発弾保管庫の建設を予定している県防災危機管理課は17日夜、崎枝地区住民を対象に同公民館で説明会を開いた。県は「市が役員に説明し、異議がなかったと聞いた」として建設予定地を決めたが、住民からは「報道があるまで知らなかった。決める前に説明会をするのが筋だ」と反発の声が相次いだ。
県、市と住民側は再度説明会を開くことで一致。公民館側は役員会、臨時総会を開き、次回の説明会で住民の意思を集約して臨むことにしている。
新里武夫館長は「市にはいいんじゃないかと話した。独断みたいな感じになってしまった」と安易に対応した点を認め、説明会の冒頭で住民に謝罪。市の上地啓一総務部長と県の担当課長らは「住民への説明が足りなかったことをおわびしたい」と陳謝した。
出席した住民は「まず説明を受けて総会や集会などで住民の意思を決めなければならない。これが民主主義。役員に通知したから終わりではない」と同意取り付けのあり方を疑問視、「これは役人の傲慢(ごうまん)さではないか。白紙撤回だ」と反対する意見も出た。
県は「ここで事業を辞めるのは難しい」との認識を示した。
建設予定地は大崎牧場の北方の山側にあり、最も近い住居から440㍍、崎枝小中学校から2600㍍の距離にある。敷地1600平方㍍に21平方㍍の保管庫を建設、周囲にはフェンスを張り巡らせる。警備小屋も整備し、日中は警備員が常駐し、夜間は機械で警備する計画。
県は「設置基準を満たしており、皆さんには影響がないと考えている。森林地域なので将来的に保管庫周辺に住宅が建築されることもない。もろもろの条件がそろっている。警備も構造も安全に万全を期す」と説明した。
住民からは「あそこは地震・津波の際に避難しようと思っている」「登山ルートにもなっている」「将来的な崎枝の発展に支障をきたす。皆さんは崎枝の将来を保証できるのか」「風評被害も心配。田舎だから大丈夫だろうと考えたのか」と不安の声が続出した。