旗頭用の竹ざおを新調するため、新川字会、大川字会、双葉公民館の旗頭持ちのメンバー12人が15~17の3日間、鹿児島県を訪れ、竹林から約100本の竹を切り出した。切り出した竹は24日ごろ石垣島に到着することになっており、火であぶる工程などを経て旗頭用の竹ざおに仕上げることにしている。来年の豊年祭では、九州から海を越えて渡ってきた竹ざおがお披露目されることになりそうだ。
旗頭用の竹ざおは7~8㍍あり、石垣島では調達が難しいことから、各字で定期的に九州地区などから切り出しを行ってきた。今回は新川、大川、双葉の3地区が初めて合同で切り出しを行った。
竹林の手配など今回の切り出しのために調整に当たったのは白保出身の浜川吉博さん。浜川さんは八重山農林高校卒業後、鹿児島県内の大学を卒業して霧島市役所に勤めている。石垣での暮らしより鹿児島での生活が長くなってしまったという浜川さんは「皆さん(各字のメンバー)の、豊年祭に対する思いに協力したいと思った」と、メンバーと一緒に2日間、竹の切り出し作業を手伝った。
大川旗頭保存会副責任者の山根稔さんは「浜川さんを含め地元の方には本当にお世話になった。この竹がどのように使われているのか一度豊年祭に招待したい」と述べた。
切り出しを行ったのは同県霧島市溝辺町の竹林4カ所。竹林の竹の長さはおよそ15~20㍍あり、その中心部分の8㍍前後を旗頭用に切り出した。
■急斜面で悪戦苦闘
今回鹿児島を訪れた12人のうち、切り出しを経験したことのあるのは4人で、ほとんどのメンバーが急斜面の不安定な足場で行う初めての作業に悪戦苦闘し、2日間かけてようやく約100本を切り出した。
新川旗頭持会責任者の入嵩西清和さんは「これという竹を探すのは難しい。上の方の太さを見極めるのは無理で、切り倒してみないと分からない。ちょうどいい竹は数本しかない」と、切り出しのむずかしさをあらためて実感した様子。双葉旗頭保存会副責任者の瀬長謙太さんは「切り出した竹は、そのままでは使えない。石垣に帰ってからの作業も大変」と話していた。