人間や犬、家畜など主に哺乳類に感染するレプトスピラ症の発生が八重山管内で過去最多の18件(26日現在)に上ることを受け、八重山獣医師会(平田勝男会長)と八重山保健所(崎山八郎所長)は26日午後会見し、感染への注意と、犬からの感染を防ぐためワクチン接種を呼びかけた。
同獣医師会の土城勝彦獣医師によると、石垣島や西表島で犬への感染が毎年数件確認されており、今年は同会が把握している中で犬3頭が発症。土城獣医師は「ペットから人への感染はごくまれで、(ペットに)型の一致するワクチンを接種すれば予防できる」と話した。
同保健所健康推進班の宮城雄一主任は「今年は少雨で川や滝の水が滞留し、循環されていないのが原因ではないか」と分析。「皮膚に傷がある場合は河川でのレジャーを控え、症状が出たら、すぐに医療機関を受診してほしい」と呼びかけた。
平田会長は「感染者はレジャー従事者が多いほか、観光客も含まれている。10月末まで注意が必要なので、観光業界や団体に周知したい」と述べた。
レプトスピラ症は病原性レプトスピラを保有している保菌動物の尿などで汚染された土壌や水を飲んだり、皮膚の傷や鼻、目の粘膜を通して体内にウイルスが侵入して感染。感染すると、頭痛や38度以上の発熱、重症になると腎機能障害や黄疸(おうだん)などの症状が現れ、死亡する事例もある。潜伏期間は3~14日間。
【訂正とお詫び】27日付け11面の同記事中で、土城勝彦獣医師のコメントに誤りがありました。ホームページにて訂正し、お詫びいたします。