県立八重山農林高等学校(渡久山修校長)は22日、郡内の中学3年生を対象にした第1回中学生体験入学を行った。進路決定に役立ててもらおうと初めて企画。この日は石垣市と竹富町の小規模11校から生徒と職員ら53人が参加した。29日には市内の大規模校を対象に実施する。
生徒らは、学校施設や各学科について説明を受けた後、高校生の指導で各学科で体験学習に臨んだ。
アグリフード科では同校の農場で収穫したニンジンを使用したクッキー、フードプロデュース科では飼育豚の肉を使ったそぼろ混ぜ込みご飯、ライフスキル科では「ちんすこう」などをつくり、試食した。グリーンライフ科では建設機器や設計ソフトを実際に使用するなどして各科の特徴を学んだ。
白保中の新里和樹君(15)は「先輩たちが優しく指導してくれたので楽しかった。八重農への進学を決めた」ときっぱり。川平中の野底海友(みゆ)さんは「将来は医者を目指しているが、八重農で学ぶのもありだと思った。高校進学の選択肢が増えてよかった」と満足げだった。
中学生を指導したフードプロデュース科の前里恵未莉さん(16)は「中学生との交流で学校の良さを伝えられた。この学校で食や動物などの命の大切さを知ってほしい」と呼びかけた。
渡久山校長は「体験させることで生徒たちがリアルに高校生活を感じられる。早い段階で進路を決めることが大事なので今後は中学2年生を対象に体験入学を開きたい」と話している。