石垣市水族館建設推進基本計画策定委員会(委員長・漢那政弘副市長、委員15人)は20日までに、7月の第1回会議で5カ所に絞り込んだ候補地に優先順位を受け、水産総合研究センター西海区水産研究所亜熱帯研究センター隣接市有地の桴海地区を第1位のモデル地として選定した。モデル地は、建設予定地ではなく、水族館建設に必要な初期投資や維持管理など具体的な試算を行うためのモデルケースとなる。市は、国・県・民間企業などに働きかける際の資料とする考えだ。
策定委は9日、5候補地を視察した後、第2回会議を開き▽土地利用上の制限▽インフラの状況▽観光ネットワークの状況▽観光施設の集積性▽土地の融通性▽生物飼育環境ーなどの視点から点数化して評価した。
選定の結果、優先順位は①桴海②崎枝③伊原間④野底⑤新港地区(南ぬ浜町)となった。
伊原間、桴海、崎枝が同点で並んだが、立地条件などの観点を加味して桴海を1位に選んだ。桴海は、周辺の豊かな自然を生かした八重山らしい水族館の創出が期待できるーなどと評価された。
桴海地区は3万2000平方㍍の面積があり、このうち1万9000平方㍍を水族館用地と想定している。
候補地5カ所の概算工事費は、83億5000万円~85億7000万円。
推進委は今後、モデル地の桴海地区で施設配置を具体化するほか、建設費や維持管理費などを試算。年内には基本計画案を策定して市長に報告する。この間、パブリックコメントを実施し、市民意見も反映させる予定だ。
水族館建設では費用が莫大(ばくだい)になることから、市単独事業では実現が困難とみられており、市は2015年度以降、具体的な試算を盛り込んだ基本計画を民間企業などに提示するなどし、事業の実現可能性を模索することにしている。