外国人旅行者向け消費税免税制度改正に伴い10月1日から、外国人が購入する食品や飲料、薬品、化粧品類などの消耗品を含めたすべての品目が消費税の免税対象となる。市内のお土産店や販売店は、外国人観光客が増加する中、「免税品の拡大は魅力」としながらも「制度を知らなかった」との声が多く、集客効果が期待される同制度の周知不足があるようだ。
石垣市商工会の當眞洋平経営指導員は「魅力的な制度だが、免税に関する販売や手続きの理解と煩雑さが課題」と指摘。制度普及に手続きの簡素化の必要性を強調した。
現在の免税制度は家電やカバン等を免税対象としているが、10月からは食品類や地酒、地元の特産品など全ての品目が対象。販売条件では販売額が5000円以上50万円までとされ、認可は大型スーパーやコンビニなどに加え、個人事業者も対象だ。
台湾人観光客を中心に外国人の集客に力を入れている石垣島特産品販売センターの根原工事務局長は同制度に興味を示しながらも「免税店の認可は宣伝効果になるが分からない点も多い」と説明不足を指摘。
また「センターの平均単価は約3000円で下限に達しない。免税にかかる購入記録票や購入者誓約書の説明も難しく、費用や人材、平均単価の問題解消が必要」と慎重だ。
8月下旬に免税店としての許可を受けた琉球真珠㈱では、今後、免税販売に関する社員教育を行い、免税店としての看板を掲げる予定で、担当者は「購買してくれるメリットはあるが記載事項の説明や講習、マニュアルが必要。外国人に説明する言葉の壁や手間がかかる」と話す。
同制度に一定の評価を示す市商工会の當眞経営指導員は「事業主は制度のメリットやデメリットを検証してほしい。商工会としても動向を見ながら周知や説明を行えるよう、力になりたい」とサポートする考えを示した。
沖縄総合事務局経済産業部商務通商課によると、八重山地区では5月15日に同制度の説明会を開催。自治体や民間事業者、観光・経済関係団体など約30人が説明を受けた。担当者は「免税店拡大で地域経済の活性化に期待している」としているが、今後離島での説明会開催の予定はないという。