先日、竹富町の元幹部職員の男性が閉庁の町役場で、職員の机の中から書類を取り出し、無断でコピーして持ち出すという事態が起きた▼無断コピーした書類は、一般に公開されている町の「地区別人口動態」とみられ、使用目的も公に近い業務で使用するためにコピーしたようだ▼結果的に住民の個人情報など、機密文章などではなかったが、その行為自体があってはならないもので、規範意識の欠如は明らかだ。町では刑事告発等はせず、男性を呼んで厳重注意し、事を収めた▼男性も「軽率な行動だった」と反省。庁舎管理の責任者である大浜知司総務課長は「閉庁後の庁舎に部外者が入ることはあってはならない」と、事の重大性を指摘。「今後、管理体制を強化する」と再発防止に取り組む考えだ▼今回は町役場でこの問題が明るみに出たが、石垣市や与那国町の庁舎管理の実態はどうなのだろうか。閉庁時の庁舎への職員、部外者の出入りに対するチェック体制はしっかりできているのだろうか▼来庁者にはせめて出入り口で個人の身元や来庁目的などを確認し、用件がある部署に問い合わせるなど、安易に庁舎内に入れない対応が必要だろう。顔見知りや役所OBでも同様だ。今回の事態を、庁舎管理体制の強化と、規範意識を再確認する契機としたい。(下野宏一)
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