川平地域で計画されているリゾート建設用地を農振地域から除外する手続きを進めている石垣市に対し、川平公民館の南風野喜秀館長ら役員3人が16日、市役所を訪れ、「川平湾と川平北側のリゾート開発は公民館として以前から反対を要請し続けている。なぜ地域に説明もなく農振除外をするのか」と訴え、除外を見直すよう要請した。
リゾート用地は8万5852平方㍍でうち8万5050平方㍍が農用地。市は農業振興地域整備計画の一部見直しに際し、公民館の意見を照会したところ、除外に反対する意見を書面で受けたが、最終的には庁議で除外を決めた。
同用地を利活用が求められる場所として選定した石垣市土地保全・利活用計画(2013年8月策定)を踏まえ、総合的に判断したという。一部見直しの手続きは近く完了する見通し。
要請に対応した漢那政弘副市長は「この場所については、各部の意見も聴くなどし、市全体として除外すべきところと判断した」と説明した。
公民館によると、川平地域では西側をリゾートホテルなど観光振興地域、北側と川平湾周辺を保全地域にしようと総会で決議しており、公民館長が代わるたびに要請してきた経緯があるという。
公民館の仲野英則ホテル対策委員長は「7月7日の報道で初めて除外されることを知った。なぜ事前に公民館に説明がないのか。順序が違う。住民は怒っている。自然の海岸が残っているのは北側だけ。北側にリゾート施設ができると、ホテルの中に集落がある状態になる」と抗議した。
要請文では「事前の説明もなく、公民館として戸惑っている。集落の環境保全と台風や塩害の北風対策として開発してもらいたくない地域」としている。