長い間、社会に尽くしてきたお年寄りを敬愛し、健康と長寿を祝う。「みんなで築こう活力ある長寿社会」を標語に、15日から老人週間が展開されている▼県子ども生活福祉部によると、県内の100歳以上の高齢者は、前年より39人増の962人(1日現在)となり、統計を開始した1972年以降最多となった。最高齢は112歳の依光年惠さん(石垣市)と大城キヨさん(今帰仁村)の女性2人だった▼これらの方々は激しかった沖縄戦を生き延び、焦土から今日の復興社会を築き上げてきたいわば功労者である。敬老の日には、孫から「おじいちゃん、おばあちゃんおめでとう。いつまでも長生きしてね」と祝福の言葉が贈られたと思う▼県内の長寿者の特徴を専門家は栄養のバランスが取れた食事、温暖な気候、地域の相互扶助による精神的安定などが要因と指摘する。お年寄りを孤独にしてはならず、ちむぐくるで接することができるのは喜ばしいことだ▼石垣島に一人でいた母親を呼び寄せ、本島で一緒に暮らしている親友がいる。体調管理で病院への定期的な送り迎えなど、変わらない親思いの行動には頭が下がる。そして自省の念にかられる▼人は誰しも老いていく。「老いてはますます壮んなるべし」と、自分の納得いく生き方で人生を謳歌(おうか)したいものである。(鬚川修)
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