牛や馬の無病息災を祈願する新川字会(入嵩西正治会長)の130周年記念「牛馬祭(ウスンマヌヨイ)」が15日午後、石垣市新川フックニムルの牛馬之碑で開かれ、照屋玄さんが「口飾り(クツカザリ)」と呼ばれる口上を述べ、「新川村の牛馬が無病息災であるように見守り、喜び事をもたらしてください」と祈った。
同字会によると、新川村ではかつて牛や馬が次々に死んだことがあったが、大嵩家(フータキヤー)の牛馬だけは被害に遭わなかった。大嵩家は牛馬の繁盛を祈願していたことから、村ぐるみでも祈願を行うようになった。大嵩家の祈願は1884年から、村としては1894年から行っているという。
この日の祈願では新川古謡保存会が「富崎野(フサギヌー)ぬ牛(ウス)なま・ユンタ」も披露。兄の牛を預かって手塩にかけて育てていた妹が、半年ぶりに帰島する兄を乗せた公用船を目にして歌ったというユンタが、同碑の前に響いた。
入嵩西会長は「かつて農耕や運搬の主力だった牛馬も、近年では肉用牛へと変遷してきた。先人たちが生活の中で共に生きてきたことを忘れることなく、無病息災を祈ろう」とあいさつした。
同字会は130周年記念事業として約380万円で碑周辺を整備。事業に協力した次の企業に感謝状を贈った。
▽㈱大米建設八重山支店▽㈲伊良部砕石▽㈲三協コーラル▽㈲丸文建設▽㈲成友興業