郡内で2013年に行われた職場定期健康診断で、全受診者1479人のうち何らかの異常がみられる有所見の割合が65・7%となったことが八重山労働基準監督署のまとめで分かった。有所見率は県全体では63・7%となり、3年連続で全国一悪くなっているが、八重山の有所見率は2年連続でこれよりさらに悪い数値を記録。検診項目のうち、喫煙を原因とする肺気腫など胸部X線の有所見率は23・5%で、同署の比嘉健三署長は、喫煙者の多さに加え、「受動喫煙の影響も考えられる」と指摘している。
同署が事業所の報告をまとめたところによると、有所見率は08年以降、徐々に全国平均との差を広げ、12年には県平均も逆転し、悪化する傾向が続いている。
胸部X線の有所見率は県平均の約4倍、全国平均の約5・5倍で、八重山全体の数値を押し上げている。血糖値も19・6%と県平均の約1・5倍、全国平の約2倍と高い。
同署では、従業員の健康管理は医療費の抑制だけでなく、生産性や企業イメージ、リスクマネジメントという企業経営にも関わってくることから、従業員の健康管理に戦略的に取り組むよう呼び掛けている。
比嘉署長は「脂肪分や塩分、アルコールの過剰摂取などの生活習慣を改善するよう努めてほしい。歩かない県民性が指摘されており、運動も心掛けてほしい」と話している。